2023年09月03日
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三百字小説『小咄少年の事件簿』

Written By: 遠野秋彦連絡先

「毎度馬鹿馬鹿しいお笑いで」

「いいぞ少年、いつもの小咄やれ」

「隣の空き地の囲いができたってね」

「それならオチを知ってるぞ。もう飽きた」

「だって、いつもの小咄やれって言うから、いつもと同じのをやりましたよ」

「ぎゃふん」

「そうか。分かったぞ、犯人はおまえだ!」

「な、なぜ分かった」

「この小咄のオチを知っているのは犯行現場にいた人だけだからだよ」

「それ、みんな知ってます」

(遠野秋彦・作 ©2023 TOHNO, Akihiko)

遠野秋彦